あれから19日目。

私は、仙台市宮城野区の海よりの地域に住んでいる。
道路一本挟んですぐ七北田川が流れ、自転車で30分もすればすぐ海に着く。
去年はなぜか、休みのたびに釣りをしたいと思い思いつきで釣り竿を購入。ぶっちゃけ楽しかった。
そういや、うちの弟も張り切って海に行ってたっけw何だったのかな。
そんな都会に近く、でも自然が豊かなこの地域。
たしかに電車に乗るのに、駅は遠いけど私はお気に入りだった。

あの日はどこか変だった。
別にレジ担当になっているわけでもないのに、なかなか納品の台車が終わらず店内から出ることが出来なかった。
もうすぐ15時だし!キリのいいところで終わらせてお昼に行こう!と思っていた矢先。
周りの様子が変だな、そう思った時だった。
激しい揺れ、棚から落ちてくる商品。目の前にはスーツ姿の男性客2人。
お互いに気をつけながら、落ち着こうと声掛け。でも全然揺れが収まらない。こんなときにパニックになってはいけないと、必死で冷静に努める。
『棚に近づかないで!!』
その瞬間。目に見えたのは、落ちてくる天井。ヤバイ、潰れる。
先にそのお客さんを店の外に。まだ揺れてるし…。私もそれに続いて外へ避難。床にこぼれているカップめんを避けながら、だからとにかく必死だった。
外に出ると、他の従業員もお客さんも、周りのスポーツ用品店もパチンコ屋も、みんなが震えあがっていた。
1回目の地震は3分くらい続いたと思う。ここまで激しいのを経験したことないから、ひたすら泣きたかった。他の人の目もあるんだから、と強い気持ちでいた。
とにかくスタッフ、お客さんの無事を確認。その時だった。
大津波警報が出てるぞ〜。』
1年前のチリ地震津波とは、間違いなく違う。絶対に違う。
とにかく移動しよう!ということに。車で避難しようにも周りの道路は全て渋滞。やばくね?と判断し、他とは逆方向のキリンビールの仙台工場に。
もともと1次退避所になってるのを知ってたから、迷いもせず車で向かった。ま、これが運のツキ。
そこからはひたすら走った。建物の中も水道管が破損したらしく、天井から水が絶えず出ていた。
屋上に出ると従業員の方や仕事で来ていた方、工場見学に来た方。
雪が激しく舞う中、時が過ぎるのを待った。

到達予想時刻:仙台港は15時30分頃。
何もないなぁ…。このまま終わればいいのに。でも、神様って残酷だった。
普通のアスファルトの上を、まるで工場内のベルトコンベアみたいなスピードで、アルコール飲料の缶が流れていく。
自分の愛車・ムーヴにも容赦なく襲ってきた。プカプカ浮いて流されていくムーヴに向かって、『ありえなーーーーーーい』と叫んでしまった。
(ようつべにあげる気満々で動画撮影しようとしてましたが。)
ますます激しくなる雪の中、寒さと怖さに震えていた。
状況がひとまず落ち着いたのを見計らって、建物の中に入った。

※今日はここまで。